◇地すべり防止工事士の紹介

<トピックス>
 ●地すべり防止工事士登録者数の推移 (H24.3.1現在)
 ●地すべり防止工事士活用事例
 ●パンフレット「協会の社会貢献と地すべり防止工事士の活用」
 地すべり防止工事士、引き続き経審加点対象に(H17.12.1日刊建設工業新聞より
 ●国土交通大臣認定 から 国土交通大臣登録 へ(H17.12.16官報号外第282号
                                  (H18.6.1官報第4349号)

━━斜面災害から暮らしをまもる━━
 
当協会がH12年度、H13年度に発行したパンフレット「地すべり防止工事士」の標語です。斜面災害から日本の美しい国土とかけがえのない生命・財産をまもることを重要な役割として掲げたものです。

斜面災害の専門家としての唯一の資格
 「地すべり防止工事士」は地すべりなどの斜面災害に関する国内唯一の国土交通大臣認定の資格です。地すべりなどの斜面災害の予防・対策のために計画・調査・設計・施工管理など一貫した技術を保有する、豊富な経験と確実な知識が求められます。

・かけがえのない仕事
 斜面災害は、同じ条件のものが少なく複雑で困難な仕事です。いち早く、そのメカニズムを解明し、いかに安全・確実・迅速に施工するかについては、担当技術者の双肩に掛ます。このような困難な仕事に、国土保全・人命の尊さを第一に仕事を通じて社会に貢献したいという一念で、日夜懸命に努力しているのが「地すべり防止工事士」です。

・さらに活躍が期待されます
 防災対策への貢献にもあるように、対策事業の推進役となるばかりでなく、さまざまな要因が脅威となっている現在、 「地すべり防止工事士」は地域の専門家として、防災に即したボランティア活動の中核となるように期待されるいます。

参考資料

◇地すべり防止工事士資格の活用
  • すでに建設業の経営審査事項において「地すべり防止工事士」は技術職員として評価されている他に、一定の条件を満たすことで監理技術者として評価されるようになりました。
  • 地すべりの調査・設計及び防止工事に関して「地すべり防止工事士」の担当を義務づけたり、公募型の大規模地すべり対策工事について監理技術者・主任技術者を「地すべり防止工事士」に特定した条件としている県もあります。
  • 最近は、この専門的技術が重要視される傾向にあります。 
<監理技術者資格条件>
  • 該当業種
    「とび・土工・コンクリート工事」
    「さく井工事」
  • 経験条件
    地すべり防止工事士取得後1年以上の実務経験
    加えて、2年以上の指導監督的実務経験

◇地すべり防止工事士の適格性

<「地すべり防止工事士」の適格性…アンケート調査より抜粋>
 当協会では過年度において「地すべり防止工事士」の有資格者に対し、さまざまな観点からアンケート調査を行いました。実務従事について、発注者の認識、実例、要望などの意見の中から参考となる一部をご紹介します。

○資格の有用性

1. 地すべり防止工事は一般土木工事より以上に、地質等の変化に応じ、工事計画・施工方法を随時変更・調整する必要があり、発生機構、各工法の設計・適用基準を熟知していない技術者には対応できないことが多い。地すべり防止効果(意味)のない施工となったり、非常に危険な施工となってしまうことが懸念され、地すべり防止工事士の現場常駐が不可欠である。
2. 着工後に当初設計と地質・地下水状況の変化などにより差異が生じた場合、再検討を要することとなり工事休止を余儀なくされることがある。地すべり防止工事士が担当することによって速やかに協議が行われ、工事休止のロスが少なくて済む。
3. 地すべりの論理性のみならず、施工、経済性、安全性、環境調和など総合的な配慮ができるとして、発注者の信頼が高まっている。
4. 地すべりが発生・進行する可能性のある現場では応急対策や計測を含めた対応が要求され、「地すべり防止工事士」の果たす役割が大きくなる。
5. 地域住民に対する十分な説明が可能であり、無用なトラブルを未然に回避し、工事の円滑化を図ることができる。
6. 地すべりの基本を熟知しており、調査計画立案にあたっても適切かつ、経済的に行うことができる。

○施工等の実例…「地すべり防止工事士」が現場に常駐したために効果があった例

1. のり面の崩落の前兆をいち早く察知して、作業員を避難させることができた。
2. 集水井工において、山側を切り土したところ、多量の湧水と小崩落があり、上部に新たな亀裂が発生した。そのため、緊急に矢板による土留工を行い、警報機付きの伸縮計を設置し、安全に施工することができた。
3. 水抜きボーリング工で、計画位置は地下水が存在しないことが想定されたので、確認の上、直ちに計画変更を提案し施工した結果、所定の効果をあげることができた。
4. 斜面の表層崩壊対策工と指示されていたが、現地調査の結果、岩盤性の地すべりと確認できたため、対策計画を抜本的に変更し、効果をあげることができた。
5. トンネル坑口崩壊対策工と指示されていたが、周辺を調査した結果、背後に地すべりの存在を確認し、工事を安全に施工できた。

○トラブル発生例…「地すべり防止工事士」が活用されていれば未然に防止できたと思われる例

1. 民間による宅地造成工事を地形が著しく乱れている箇所で行ったところ、地すべりが発生した。
2. 明らかな地すべり地において、建築を目的とした土質調査等を行ったが、確認申請時に地すべり地であるという指摘を受け、再度詳細調査せざるを得なくなった。
3. 地すべり地形であったにもかかわらず、崖錐地形として判断を誤ったため大幅な変更を余儀なくされる結果となった。
4. 地すべり対策工事において、排水を地下に浸透させ、地すべり滑動を助長する結果となった。
5. 対策工事において掘削残土を地すべり地の頭部に仮置きしたため、地すべり滑動を助長する結果となった。
6. 現地調査を行わず、図上のみで安易に設計したために斜面崩壊に至った。
7. 斜面カットで地すべり末端部の崩壊土砂を取り除いたため、地すべりを拡大させる結果となった。