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地すべり調査は予備調査、概査、および精査に区分することができます。
予備調査は文献、地形図、航空写真等の資料を用いた調査で、広域における地すべり地の予察を行い、あるいは地すべり地の概況を把握するために行うものです。
概査は、地すべり災害の緊急性を判断し、また精査を効率よく行うために、 精査に先立って実施します。実態調査と称して地形測量や簡単な地表変動状況調査をこれに含める場合もあります。
精査は、推定された地すべりの発生・運動機構を確認し、より精度の高い機構解析を行うために実施するものです。機構調査と呼ぶこともあります。
それぞれの一般的な内容と作業の流れはつぎのようになります。
地すべり調査の目的は概ね以下の3つに大別されます。
(1)地すべり機構の解明と対策工の計画・設計
(2)地すべり活動の予知・予測
(3)対策工の効果判定・維持管理 |
上述した地すべり調査の内容は主に(1)の地すべり機構の解明や対策工計画に関する調査の内容ですが、その観点からみた場合、さらに次のように調査の目的を細分することができます
(1)移動範囲・地すべりブロックの把握
(2)移動方向の把握
(3)移動量の把握
(4)すべり面位置の把握
(5)誘因の把握
(6)対策工設計に必要なパラメータの把握 |
1つの調査が複数の目的を兼ねるものもありますが、地すべり調査においてはそれぞれの調査毎の目的を明確に意識することが重要です。
○現地踏査
現地踏査は表-1のような目的で行います。
表-1 現地踏査の目的
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1. 地すべり範囲の推定
2. 地質調査(地質性状と構造)
3. 地形調査(微地形や地形による
地質構造の推定)
4. 地下水の分布の把握
5. 運動形態の推定
6. 発生原因の推定
7. 今後の運動予測
8. 活発化に伴う被害区域と
被災状況の予測
9. 応急対策についての検討
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○すべり面調査
すべり面調査は地中の変動量調査によるものとその他の地質調査等によるものに大別されます。それぞれの主な調査種には表-2のような方法があります。
表-2 すべり面調査の種類
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地質調査等による方法
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地中変動量調査による方法
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| ボーリング調査、物理探査、物理検層など |
パイプ歪計、孔内傾斜計、多層移動量計、すべり面測桿など |
○地表変動状況調査
地表変動状況調査は、地表に発生した亀裂、陥没、地盤の盛り上がり等の地表変動状況や、地盤の傾動、水平方向の運動量等を調査するものです。
地盤伸縮計(図-1)、地盤傾斜計などの計測器による方法と標柱観測などの測量による方法がありますが、最近はGPS測量を用いた観測が多用されるようになってきており、光ファイバーやリモートセンシングなどを用いた方法なども試みられています。
○地下水調査
地下水調査には、ボーリング孔を利用した地下水位測定、薬品等を流下させてその経路・速度等を求める地下水追跡試験、地下水流動層の垂直分布を推定する地下水検層、地すべり地の土層の透水係数を把握するために行う揚水試験等があります。
その中でもすべり面に作用する間隙水圧に関する測定が重要です。地すべりが動き出す臨界時の間隙水圧分布と最大の間隙水圧分布を把握することで、対策工の効果をより正しく評価することができます。
通常、地すべり地内の地下水帯は複数存在しますので、目的の地下水帯を絞った調査が重要です。すべり面付近のせん断帯の地下水圧を効率良く観測するために部分ストレーナ加工の地下水位観測孔が最近用いられています。
○土質調査
土質調査は、すべり面の土質パラメータあるいは対策工の設計に必要な地盤の土質パラメータを把握するために行うものです。
すべり面のせん断強度は通常の一軸圧縮試験や三軸圧縮試験などでは求めることができませんので、実際のすべり面サンプルでの直接繰り返しせん断試験やリングせん断試験など、すべり面の残留強度を求める試験を用いて調べます。ただし、すべり面を代表させるサンプルであるかどうか等、得られた値については慎重な検討が必要です。
<参考文献>
| 1)山田剛二、渡正亮、小橋澄治(1971):地すべり・斜面崩壊の実態と対策、山海堂 |
| 2) 渡正亮、小橋澄治(1987):地すべり・斜面崩壊の予知と対策、山海堂 |
| 3) 申 潤植(1989):地すべり工学−理論と実践、山海堂 |
| 4) 日本河川協会編(1997):建設省河川砂防技術基準(案)同解説、山海堂 |
| 5) 日本治山治水協会(1987):治山技術基準解説 地すべり防止編、 |
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